「第2回 データモデルセミナー」（土木学会・道路業務プロセスモデル検討小委主催）リポート
道路事業向けプロダクトモデルおよび業務プロセスモデルの構築へ ― 道路データモデルの提案アプローチ（3）
By 池野隆（Takashi IKENO）
（掲載 4/17/2014）
(公社)土木学会土木情報学委員会「道路業務プロセスモデル検討小委員会」主催「第2回 データモデルセミナー」（2013年10月24日開催）を連載でリポートする第3弾は、同小委に設置された各分科会（WG）関係者による活動報告のポイントを紹介する。
「道路事業のデータモデル」
プロダクトモデルとプロセスモデルの定義から新たな関係への展開
道路業務プロセスモデル検討小委員会の分科会の一つ、「WG1：データモデルの定義」では道路事業にフォーカスしたデータモデルの定義について検討している。
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| (公社)土木学会 土木情報学委員会 道路業務プロセスモデル検討小委員会 WG1（データモデルの定義） 主査 羽田野 恒 氏（㈱ネクスコ東日本エンジニアリング システム開発部 副部長） |
「この（STEPの）根本になっているのはオブジェクト指向です。ですから、ある製品（建設事業の場合は『構造物』）のデータモデルをつくることによって、その製品の固有データもすべて定義された連携の下に、集約したり、数値処理したりといったことが自動的に出来るのでは」。そうした観点から、いずれ建設CALSの中でもこのSTEPに基づく形で、橋梁やトンネルなどのデータモデルがつくられるようになるだろうと考えられた、と語る。
ただ建設CALSでは当時、建設事業の電子化にウェートが置かれた。そのため、電子入札や電子納品といった現実的な対応がより脚光を浴び、モデリングへの展開は脇に追いやられていた面もあった。
「そのような流れの中でJHDMがつくられたわけです。（そして）当然、（道路事業における）データモデルについて検討する際にも、オブジェクト指向やSTEP（の考え方）を踏まえていかなければいけないと思っています」
プロダクトモデルの概要とその意義
「土木技術者にとっては当たり前の話なのですが、（道路のプロダクトモデルの作成は『道路とは何か』を表現するため）道路の構成（要素）を一つひとつ定義していくことから始まります」
道路事業のデータモデルに関するWG1の初年度の活動を紹介するに当たり、羽田野氏はまず、UML（Unified Modeling Language）の静的モデルで表現した、ボックスカルバートを中心とする「プロダクトモデル」例を示す。
そこでは、「ボックスカルバート」というオブジェクトと、そのカルバート名や延長をはじめさまざまな属性情報、あるいは「（その内容については）まだそれほど詳しく検討していませんけれど」としながらボックスカルバートとは別の「交差構造物条件」のようなオブジェクトなどを提示。汎化や集約化などオブジェクト同士の関係も表現される。
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| （画像は土木学会・道路業務プロセスモデル検討小委員会提供） |
